コーポレートスローガンは、ブランドメッセージやタグラインとも言われ、
端的でインパクトのある印象的なコピーが多く、
お客様へ自社の商品やサービスが何をもたらすのか、
またそこで働く従業員へ何を志すべきかを示す言葉であり、
企業の伝えたい「価値」や「世界観」を伝える重要な役割を担います。
そこで今回は大手企業のコーポレートスローガンの中から選りすぐりの20個をまとめました。
1:シャープ
「目指してる、未来がちがう。」
シャープというとまず「目の付けどころがシャープでしょ」というコピーを思い浮かべてしまいますが実は2010年より「目指してる、未来がちがう。」というコーポレートスローガンへ変更しています。ただし、変更後もメッセージの本質自体は変わらず、「他社とは違う未来へのビジョンを持っている」ということをうかがわせる力強さを感じます。
2:ライザップ
「結果にコミットする」
ダイエットサポートを行うライザップは「私たちはあなたの結果にコミットします」と利用者と約束をするという強いメッセージを打ち出しています。それがブランドの信頼性や強さにつながったといえるでしょう。
3:HONDA
「The Power of Dreams」
「夢は人々に喜びを与え笑顔にしてくれる。その笑顔が次のチャレンジへの力をくれる。」そのような意味が込められているブランドメッセージです。「世界のホンダ」としても知られるHONDAが心がける、夢を追いかけて上昇していくという姿勢が感じられます。
4:トヨタ自動車
「START YOUR IMPOSSIBLE」
グローバル企業として新たな一歩を踏み出した時に、書かれたキャッチコピーです。日本有数の大企業の地位を固めながら、常に新しいことへのチャレンジを忘れない企業姿勢。さらに、絶え間なく挑戦する人々を応援する言葉にもなっています。
5:日産自動車
「やっちゃえ日産」
ミュージシャン・矢沢永吉や木村拓哉を起用したCM効果もあり、日産と聞くとこのフレーズが頭に浮かぶ人が多いはず。「やっちゃえ」というネガティブなイメージを抱かれかねないフレーズをあえて使用することで、企業として挑戦していく姿勢、勇気を持って進んでいく姿勢を明確にしているのが分かりますね。
6:マクドナルド
「i’m lovin’ it」
「i’m lovin’ it」とは「私のお気に入り」という意味。いかにも、ファストフードらしい親しみやすさがありますね。マクドナルドが世界中の人々にとって身近に寄り添う存在であることを、端的に表したキャッチコピーです。ポイントはloveを現在進行形にしていること。これによって、躍動感あふれる印象を生み出しています。
7:日立製作所
「Inspire the Next.」
CMなどで必ず企業名とともに発信され、多くの人の記憶に残るフレーズです。「次なる時代に息吹を与える」という意味であり、企業の姿勢を端的に発信しています。たとえ英語であったとしても、強いメッセージ性があればインパクトのあるキャッチコピーは作れるという、良い例ですね。
8:富士フイルム
「VALUE FROM INNOVATION」
富士フイルムといえば、元々はカメラや写真フィルムを扱う企業でしたが、今では医薬品・化粧品など幅広い分野で活躍しています。このVALUE FROM INNOVATIONは、富士フイルムが革新的な「技術」「製品」「サービス」を生み出し、あらゆる可能性を拡げてきたことを表すブランドメッセージといえるでしょう。
9:ニトリ
「お、ねだん以上。ニトリ」
ニトリのモットーは、安くても高品質な商品を提供すること。その思いを、ダジャレでユーモラスに伝えているのが「お、ねだん以上。ニトリ」です。お客のつぶやきのようにも、「お値段以上」という意味にもとれ、見事にダブルミーニング(1つのコピーに2つの意味を込めること)に成功しています。
10:サントリー
「水と生きる」
良質な水がなくては商品が作れない、という思いが込められたキャッチコピーです。さらに、企業理念である「人と自然が響きあう」から派生した言葉です。シンプルでありながら、静かで力強い佇まい。「水」という言葉から醸し出される透明感あふれる印象が、サントリーの企業イメージにぴったりと合っています。
11:カゴメ
「自然を、おいしく、楽しく。」
カゴメといえばケチャップをはじめとして、野菜や果物を使った食料品を扱う企業です。自然恵みを大事にしながら、美味しさはもちろん食の楽しさを追求することをメッセージで端的に表しています。また、企業のブランドロゴがトマトを思わせる赤をメインに、緑黄色を添えて、自然の明るさや鮮やかさを感じさせてくれます。
12:味の素
「あしたのもと AJINOMOTO」
このキャッチコピー、なんと言っても社名と似た言葉を使ったことが秀逸。それよって、とても印象に残りやすくなりました。料理をよりいっそうおいしく引き立て、明日への活力を作る味の素の調味料。この、なくてはならない魅力をとても上手に表現した名作です。
13:ミツカン
「やがて、いのちに変わるもの。」
人間が生きていくうえで欠かせない、食べ物。それを作っているのがミツカンであることが静かに伝わってきます。「いのち」と、漢字でなくひらがなで書いてあるのもやさしく、さりげない。作者は岩崎俊一さん。あたたかく、人間味あふれる言葉をたくさん生み出した、名コピーライターです。
14:キッコーマン
「おいしい記憶をつくりたい。」
食品会社のキャッチコピーでいちばん多く使われるのは、やはり「おいしい」という言葉ですが、それだけにありきたりな表現になりがちです。しかし、「記憶」という言葉と結びつけることによって、印象深い言葉になりました。確かにおいしい食事は、大切な人たちとの楽しい思い出をたくさん作りますね。食が大きなコミュニケーションツールであることを改めて感じさせてくれます。
15:ロッテ
「お口の恋人」
知らない人はいないほど有名なキャッチコピーですね。ロッテの社名は名作『若きウェルテルの悩み』のヒロインであるシャルロッテの名に由来。「お口の恋人」という言葉には、永遠の恋人として知られる彼女のように、愛される企業でありたいとの願いが込められています。人々の甘いひと時に寄りそう、企業のイメージにピッタリです。
16:コスモ石油
ココロも満タンに、コスモ石油」
「ココロ」と「コスモ」が呼応しあう共鳴するような書き方が印象的です。さらに、「満タン」という言葉がいかにもガソリンスタンドらしく、Good!お客様に充実したサービスを提供し、その満足を追求する企業姿勢をシンボル的な言葉で表しています。
17:タワーレコード
「NO MUSIC NO LIFE」
もともとは「NO PAIN NO GAIN(痛みなくして、得るものなし)」という英語の格言をアレンジしたキャッチコピー。このような作成法を「本歌取り」と言います。直訳すると「音楽がなくては、生きていけない」という意味でしょうか。海外のポップカルチャーに興味を持つ、ターゲットの心をつかむフレーズです。
18:リクルート
「まだ、ここにない、出会い。」
リクルートのロゴデザインのモチーフは「架け橋」。〝人と機会〞、〝いまと未来〞などをつなぐ存在になりたいという企業の願いが込められ、キャッチコピーにもそれは表れています。就・転職活動の支援を通じ、人と企業の良い出会いを提供することで未来を明るく変えていく。そんな思いさえも伝わる広がりのある言葉です。
19:小林製薬
「あったらいいなをカタチにする」
小林製薬は医薬品と衛生雑貨の企画・製造・販売をおこなっている企業で、私たちの生活に密着した製品を数々扱っています。テレビCMなどでこのブランドメッセージを見かける機会も多いのではないでしょうか。「これが欲しい」というニーズを満たすだけでなく、「あったらいいな」という希望をカタチにしていくという、ユーザー目線であることが伝わるメッセージです。
20:ファミリーマート
「あなたと、コンビに、ファミリーマート」
ファミリーマートといえば、このキャッチコピーを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。「コンビニエンス(便利)な存在であること」と「コンビのような存在」という二つの意味を含ませた内容になっているのが印象的です。また、TVCMをはじめ様々な媒体でサウンドロゴとして親しまれていることもあり、2017年にはコンビニエンスストア業界で初めて「音商標」として特許庁に登録されました。
まとめ
いかがでしたでしょうか、今回ご紹介したコーポレートスローガンは、
どこかで聞いたり見たりしたことがあるものも多かったのではないでしょうか。
いずれも短いフレーズでありながら、ターゲットユーザーの心を動かす情緒的な価値を含んだ
記憶に残る素晴らしいコーポレートスローガンですね。
これから新しく起業したときやブランドを立ち上げたときの一助になれば幸いです。