詐欺グラフとは、一般的なグラフの作り方とは異なり「意図的な演出」を加えることによって錯誤を狙うグラフ のことを指しています。本来、理解しづらい数値等を分かりやすく表現するものがグラフであるので、読み手を誤解させる詐欺グラフはかなり悪質で、印象操作といわれてもしかたありません。
今回はテレビで実際に放送された詐欺グラフをいくつか紹介していきたいと思います。
歪んだ円グラフ
全体を100%としてそれぞれの項目をパーセンテージで表示する円グラフ。パイチャートとも呼ばれるものですが、アナウンサーの安藤優子さんがキャスターとして放送するフジテレビの番組で正円になっていない歪んだ詐欺グラフが使用される。
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「若者の不祥事が多い」ということを視聴者へ印象操作したいことが伺えるグラフです。
左のグラフが番組で放送されたもの、右が正しい比率で作成したグラフになります。
まずグラフの中心点がズレていて意図的に「10代〜20代」のゾーンを多く見せています。
それに加えて、他のゾーンは「30代」「40代」「50代」と10年分なのに対し、
若者のゾーンだけ、「10代〜20代」と20年分と集計単位が歪められています。
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こちらもフジテレビの番組「とくダネ!」で使用されたグラフ。
同じ「12.1%」の項目が二つあるのに4倍くらい差がありもう他の項目の割合も
信用していいのかわからないグラフに。
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続いてこちらは九州朝日放送の番組「アサデス。」
2017年に放送された元SMAPの3人が出演した72時間テレビについて
独自にアンケートを実施し、おおよそ10%が視聴していたと紹介したグラフ。
本当は「72時間テレビが大人気なんです!」と紹介する流れで「見た」人が多くいると
印象操作したかった意図があるように伺えてしまいます。
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しかしこちらは放送で紹介した円グラフがおかしいと多数炎上したことで、
後日間違いを認めアサデスが謝罪・訂正することに。
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謝罪では「数字はあっていたがグラフが間違っていた」とのことだが、
そんなわけあるか!とツッコんでしまいそうです。
更にはお詫びと言いながらもへらへらとした出演者、コメンテーターもふざけて
「分かった!許しましょう!」とおちゃらける始末。反省としては最悪です。
割合のおかしい棒グラフ
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こちらは羽鳥慎一アナウンサーが司会を務めるテレビ朝日系列の「モーニングショー」。
某有名寺社でのおみくじの割合を調査し、
「実はおみくじは凶が多いんです」と羽鳥アナが説明するグラフでは、
「吉35%」より少ない「凶30%」の方が割合の大きい意味不明なグラフを堂々と放送してしまう始末。
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こちらの棒グラフも数値を0から見せず、いかにも赤の割合が多いように見せている悪質なグラフです。
数値の違いを面積で示すことでわかりやすくするグラフでは、起点は必ず0でなければなりません。
もしくは省略線(波の二重線)をいれる必要があります。この原則を破ると、グラフから受ける印象と実際の数値が大きく乖離してしまうことになります。
いずれのグラフも印象操作にデータを使おうとして自滅しているパターンですが、
現在ではSNSが普及しており、こういった印象操作はすぐに見つかってしまいますし
そもそもこんなことしていたらメディアとしての信用が無くなってしまいます。
まとめ
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