ラフォーレ原宿が行った
「ラフォーレ グランバザール(LAFORET GRAND BAZAR)」というセール。
今回「テプラ」で作成された看板やポップなどを全面に押し出した
コンセプトのPR展開を図っていたのだが、この一連の広告に対して
アーティストの酒井いぶきさんがTwitter上で異議を申し立てた。
今回騒動になったラフォーレのセールで使われたテプラ広告↓
酒井いぶきさんとは?
東京出身のモデルでファッション雑誌やショーなどに登場するほか
テプラを使った広告やオリジナルシートを販売するなど
アーティスト活動もしているようです。
酒井さんは以下のようにツイート。
「いや、完全にパクられた笑 むこうも私知っててやってる事実認めたし」
(原文ママ、以下同)
「まあ一言言うと、ラフォーレとWieden Kennedyマジで許さねえよ。テプラ使うなって話じゃ全くなく、やっちゃいけない事ってあるよ笑。話し合いもがっつりしたけど、おおのしんごっていうアートディレクター、話にならない」
「私のファンが、いぶきちゃんが作ったのかな?とか、いぶきちゃんのパクリ?!って思ってくれるっていう状況は、私が長く続けてきたからできた状況だけど、私を知ってる人よりもラフォーレの利用者、ラフォーレに入らずとも原宿のあの交差点を通りインパクトのあるテプラを目にする人の方が多い」
「それなのにWKという広告代理店は、私たちはアーティストにリスペクトがある企業だという笑。ねえだろそんなもん。てか去年の1月にWKでも私は展示を2日間しているし、ラフォーレでもポップアップを最近したばっか。怖いよね」
「みんながあげてくれてるDAZED Koreaの物は確かに似てるんだけど、それだけじゃなく色々やってきたからな。。そしてあのアートワークも高校卒業した年に作った4年前の作品に私の顔がコラージュされたもので最近の物ではない。真似するならもっとかっこよくやったらいいのに私だと思われるのが心外」
「中途半端に物作るな。世に物出す覚悟のない人多すぎる。私は無理にひねり出さずとも物作れるけどそれは才能だから。そうじゃないなら責任もて、出したなら戦え、逃げる余地あるなら最初からやめとけ。うっぜまじ」
一連の投稿を、フリーランスのクリエイターやファンなどが、次々に酒井さん支持のリツイートをし、反響が広がっている。酒井さんは音楽活動やモデル業と並行して、シールやテプラを使用したデザインの作品を手掛けている。
そして所属事務所が見解
弊社所属の酒井いぶきについて ラフォーレ原宿様の「LAFORET GRAND BAZAR」の広告(以下「本件広告」といたします)に関連して、去る1月25日にラフォーレ原宿様が「LAFORET GRAND BAZAR広告につきまして」と題する文書を、また本件広告を担当された広告会社のWieden+Kennedy Tokyo様(以下「W+K様」といたします)もこれに関連する告知文(以下「本件告知文」といたします)をそれぞれ発表されています。 本件告知文では、本件広告に関し自己の作品と類似しているとの連絡をした者について「特定のアーティスト様」、「アーティスト様」と匿名で表記されており、弊社所属の酒井いぶき(以下「酒井」といたします)と記載されているわけではありません。従いまして、弊社及び酒井としては、本件告知文について特に申し述べる立場にはありません。ただ、本件広告についてSNS上で酒井が発言をしたこともあり、ネットを中心に酒井の作品との関係に言及する発言がなされ、その影響で弊社及び酒井に対するお問い合わせや取材の依頼も少なくありませんので、弊社及び酒井としての本件広告に対する考えをご説明申し上げることといたします。 まず、本件広告については、本件広告が発表された後の本年1月11日に、複数の知人から酒井に対し、酒井の作品と類似しているのではないかとの指摘を受けましたので、酒井も確認したところ、自分の作品と類似しているという印象を抱き、またラフォーレ原宿様からではありませんでしたが、入居テナント様からのご依頼によるイベントへの登壇やポップアップショップでの委託販売をさせていただくなど、ラフォーレ原宿様とはご縁があったこともあり、お問い合わせをさせていただき、その際に本件広告を担当したのがW+K様だとのご説明をいただき、その後W+K様のご担当の方からもご連絡をいただきました。 酒井は、昨年1月にW+K様のギャラリーにおいて個展を開催させていただいいたという関係もありましたので、W+K様は当然酒井の作品のことはよくご存知であるにもかかわらず、本件広告についてどうしてご連絡をいただけなかったのか、とても残念に思いました。 その後、1月21日にW+K様のオフィスにおいて、ラフォーレ原宿様のご担当の方も交えたご説明の機会を設けていただき、そこに弊社担当者が酒井と共に出席をいたしました。その際、W+K様のご担当の方より,テプラを使用した酒井の作品のことは知っていたが、本件広告はコンセプトが異なるし、インスパイアもされていないので盗用にはあたらないと判断をしたとのご説明をいただきました。 W+K様が述べておられるコンセプトの違いが仮にあったとしても、本件広告が酒井の作品と類似しているという印象を受けるものであることは間違いなく、それを過去に仕事の上での接点もあったラフォーレ原宿様及び個展の開催というご縁もあり、酒井の作品のことをよくご存知のW+K様が、これだけ大々的に使用することについて、事前にご連絡をいただけなかったこと、広告という性質上事前の連絡が困難であったとしても、酒井が問い合わせをするまで事後においても全く連絡をいただけなかったことについて、弊社及び酒井が覚えた不快感は払拭することができず、その旨をお伝えしいたしました。 結局その会合自体は具体的な解決には至らずに終わっておりますが、弊社及び酒井としては、特にこれ以上本件広告を問題視する考えはありませんでした。 ところが、1月24日に本件広告を担当され、21日の会合にも同席をされていたデザイナー様が、インスタグラム上に本件広告についての書き込みをされているのを把握しました。そこでは、酒井の作品への言及は一切なく、面談の際に当方がお伝えした不快感に対する配慮も全く感じられないものであったため、酒井が1月24日から25日にかけてTwitter上で本件広告について発言をするに至りました。しかしながら、今後は酒井が本件について投稿をすることは考えておりません。 本件告知文については、事前にW+K様より案をお送りいただき、内容についてコメントをさせていただきました。その際、弊社及び酒井としては、本件広告については、上記のとおり酒井の作品のことを知りつつ、盗用にはあたらないとの判断から当方への事前及び事後の連絡をすることなく制作及び発表されたものであるということを明らかにしていただく趣旨で、酒井の作品のことは知っていたが、コンセプトが違うので問題がないと判断して発表するに至った旨を加筆していただきたい旨を要請させていただきました。 上述のとおり、客観的にもW+K様が酒井の作品についてご存知であったことは明らかですし、上記会合の場でもこの点は認めておられたのですから、特に不合理な要望ではなく、特に問題なく応じていただけるものと考えておりましたが、受け容れてはいただけませんでした。 冒頭でも申し上げましたとおり、本件告知文には弊社及び酒井の具体名は記載されていない以上、その内容について特に申し上げることはありません。また、酒井が本件のような事態にこれ以上関わることは、本人の今後の活動にとって有害無益であると考えておりますので、本件広告についてラフォーレ原宿様及びW+K様に対してこれ以上の対応をお願いする考えもありません。ただ、繰り返しになりますが、本件広告の制作及び発表に際し、酒井の作品についてご存知でありながら、事前にも事後にご連絡をいただけなかったこと、当方からの問い合わせ後の上述のご対応について、弊社及び酒井が不快感を覚えたことについてはご理解をいただければ幸いです
と以上が所属事務所の見解
代理店「模倣する意図は一切ない」
一方で、酒井さんに剽窃を指摘されている広告代理店「Wieden+Kennedy Tokyo」(WK社)は25日午後5時50分、当サイトの質問にメールで回答した。質問と回答は以下の通り。
【以下、WK社とのQ&A】
――酒井さんは、御社の担当者が「酒井さんの作品を剽窃した」と認識した上で、 「ラフォーレの広告を作成した」としていますが、それは事実ですか。 WK社 アーティストの作品を再現もしくは模倣したりする意図は一切ございません。 今回のアイデアは、例えば注意書きだらけのコンビニのコーヒーマシンのように、誰にでも分かりそうなことを、 やりすぎなほどに説明を貼ってしまうテプラ文化からヒントを得て作られました。 ――酒井さんのご指摘に対してどのようなご見解をお持ちですか。 また著作権に関する御社のコンプライアンスはどのようになられているのでしょうか。 WK社 弊社としては、お会いした際に、ご不快な思いをさせてしまったことについてお詫び申し上げた認識でおります。社内でのコンプライアンスを含め、誠心誠意、引き続きアーティスト様とも話し合いを進める所存でございます。
感想
テプラを装飾的に使うことを「自分の独創性」とすることはたしかに難しいかもしれません。
ただ酒井いぶきさんが今回訴えている本質は「テプラを使うな」とかそういう部分ではなく
酒井さんが過去に開いた個展に関わっていた顔も知っている仲であろう広告代理店が、
酒井さんが何年も前から活動するなかで代名詞となったアイディアを使って
ラフォーレのセールイベントを行ったことや、模倣もインスパイアも
全くしていないとするその態度がどうしても腑に落ちなかったのではないかと思いました。